先日もナナちゃんのことで少し触れたけど、「巨大食道症に見られる症状(吐出)=重症筋無力症を疑う。」という流れがあるように思う。複数の病院に問い合わせたわけじゃないけど、少なくともティアラを診断した獣医師は「激しい下痢、吐出、高熱、白血球の数値が異常に高い、バリウムによるレントゲン撮影(バリウムが食道に停留)」これらの症状から、重症筋無力症検査の必要性を訴えてきた。ネットでも検索してみたけど、やはり同じようなことを書いているHPが多かった。ティアラの場合、重症筋無力症の検査結果が陰性だったために、その後はあまり詳しく調べてない。
そもそも重症筋無力症とはどういったものなのか・・・。この病気は犬や猫だけでなく、人間でも発症するケースがあるとのこと。犬であれば、秋田犬・テリア系・ジャーマンシェパード・チャウチャウ・ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー、猫であれば、アビシニアン・ソマリなどで好発傾向があるらしい。
発生時期としては、先天性のものと、2~3歳・9~10歳の時期に発症するケースが多く見られるとか。そして、症状として起立、歩行困難があるとのこと。重症筋無力症では、全身性麻痺にまでなるものは少なく、局部(後肢)の虚弱のみに限定されることが多い。それから、ここが重要なポイントらしいけど、全身性重症筋無力症の90%が巨大食道症を併発しているそうな。そう考えると、巨大食道症の症状が見られたときは、すぐさま重症筋無力症への対処も考えなければいけないということだね。
併発症としては、慢性的な吐出・誤嚥性肺炎で、死亡するケースとして、ほとんどの重症筋無力症は誤嚥性肺炎で死亡しているとのこと。吐出が続く限り、誤嚥性肺炎の恐怖は付き纏うということだ。
治療方法としては、筋肉の神経伝達機能の虚弱性を改善させることを目的とした、長時間作用の抗コリンエステラーゼ剤の投与。これはナナちゃんがしてもらったものと同じですね。これによって、神経筋接合部の興奮伝達ブロックが解かれるということなのかな。筋肉など神経の運動機能というのは、それぞれの神経から分泌されるアセチルコリン同士が結合して電位を起こすことで機能しているらしく、重症筋無力症においては、そのアセチルコリンがなんらかの原因で減少して、興奮伝達が阻害されるケースが見られることが多いらしい。そういえば、麻痺している部分に電気をあてて刺激している場面をテレビで見たことがあるなぁ。。。
研究結果では、53例中47例が抗コリンエステラーゼ剤によって平均6.4ヶ月以内に自然治癒に至ったそうです!これは素晴らしい!ただ、これはあくまで平均値であって、長い場合は数年というケースもあるとのこと。
それから、病院によっては重症筋無力症の検査結果が陰性だったとしても、数値などを踏まえたうえで抗コリンエステラーゼ剤による治療をすることがあるそうです。重症筋無力症もまた、上手に付き合っていくことが重要。とにかく、吐出・誤嚥による肺炎は充分な注意が必要です。。。
※追記
重症筋無力症は、生涯薬が必要とのこと。上記の、平均半年ほどで自然治癒というのは、寛解という意味で、薬の投与がなくなったということだそうです。それから、症状によっては、薬の副作用で、急激に悪化して死に至る場合もあるので、注意が必要。抗コリンエステラーゼ剤は、症状を抑えるのみで、根本治療ではないこと。重症筋無力症とは、人間の場合、難病指定になっていて、それほど大変な病気なんだそうです。。。
ナナまま、教えていただきありがとうございました。